公務員が個人再生を利用する場合注意することはありますか

 公務員の場合、その身分が比較的安定しているためか、消費者金融も優良顧客として、いきなり100万円の貸付枠を設定することもあるようです。そのため、ついつい借入れが増え、比較的短期間に返済が困難になるケースが見受けられます。

 

 では公務員が個人再生を利用する場合問題はあるのでしょうか。
一般に、公務員が個人再生を利用すること自体何ら問題はありません。むしろ、収入が安定しているため再生計画が立てやすく個人再生に向いていると考えています。

 

 ただ、共済組合から借入がある場合は、少し注意が必要です。共済組合は、再生計画に反対するケースが多く、共済からの借入金が負債総額(住宅ローン等を除く)の2分に1を超える場合は、給与所得等再生の利用を考える必要があります。また、共済からの借入金の返済は、地方公務員等共済組合法第115条において、給料から天引きで行うこととされていますので、個人再生の開始決定が出るまでは、天引きが続くことになります。よって、共済からの借り入れがある場合は、早急に申立をする必要があります。また、天引きとはいえ一部債権者への弁済になりますので、その額を資産に計上する必要があります。よって、資産が比較的多く、最低弁済額が資産の額により決まるような場合は、特に申立を急ぐ必要があります。

 

(設例1)
例えば、住宅ローン残額2000万円、共済からの借入れ残額700万円。(銀行からの借り入れは購入不動産に担保設定し、共済からの借り入れは無担保でとします。)(※1)それ以外に消費者金融からの借入れ1000万円、退職金1600万円、その他の資産は無いものとします。 

この場合、小規模個人再生を利用すると弁済総額は、300万円以上となり、これを36回払いで84000円ほどになります。そして、再生計画の基づく返済が終了すれば、それ以後、共済への返済は不要になります。

退職金の評価はこちら

小規模個人再生についてはこちら


設例1で、消費者金融等からの借入れが、600万円とした場合、共済の借入れが、2分の1を超えるため、給与所得等再生の利用も考える必要があります。給与所得等再生の場合は、家族構成にもよりますが、一般に小規模個人再生よりも返済額が多額になると思われます。

給与所得等再生についてはこちら

 

設例1で、資産として、別途、生命保険の解約返戻金が120万円あった場合は、資産要件で最低弁済額が、決まります。この場合は、320万円となります。また開始決定までに天引きされた共済への返済金がこれに上乗せされます。例えば、司法書士、弁護士に依頼後、開始決定までに4か月を要した場合は、5万円を4回天引きされたとすると、20万円を上乗せし、最低弁済額は、340万円となります。申立が長引けば長引くだけ天引きは続きますし、返済額も増えることになります。

 

 

 

※1 共済からの借り入れの際、第三者が「借受人が、退職等により返済できないときは、わたしが責任をもって早急に返済することを誓約します。」との誓約書を共済組合に差し入れている例があります。この誓約書が保証に当たるかどうかについては、不明確ですが、少なくとも個人再生を利用することは、「退職等により返済できないこと」には該当しないと考えます。一度当事務所の取扱事例でも、誓約者に請求はありませんでした。
        

 お気軽にお電話ください。

山本英樹司法書士事務所

司法書士 山本英樹

大阪市天王寺区生玉前町1-18

クリスタルタワー SANKYO703号

司法書士 山本英樹 

 個人再生物語