2006年2月から、大阪の地下鉄、バス、ニュートラムで、ICカード「PiTaPa」が使えるようになります。改札機を通さなくても、タッチするだけで乗車でき、また、利用実績に応じて自動的に利用額が割り引かれ、今後は地下鉄の利用が大変便利になりそうです。
駅には、ご利用ガイドブックが山積だし、電車に乗れば車内広告が目に付き、大阪市交通局も大変な力の入れようです。
◆
車内広告には、具体的に1000円から2万円までの利用額がに応じた割引額、お支払額が表示され、その横には、「乗るほどお得」と記載されています。
計算してみると、1万円の利用だと10パーセントの割引なのに2万円の利用だと約17パーセントの割引になっています。この広告を見ると、1月に2万円利用する場合は、PiTaPaが、一番特だという印象を与えます。
でも本当は、そうではありません。
◆
本当に一番有利なのは、定期券の一種である「共通全線定期」であるのに、そのことには、一切触れられていません。
共通全線定期は、1ヶ月15,900円、6ヶ月で85,800円(1ヶ月あたり14,300円)です。計算してみると、1月あたり17,000円以上の利用であれば、6ヶ月定期のほうがPiTaPaより安く、1ヶ月定期としても、19,134円以上の利用であれば、PiTaPaより安くつくことになります。
◆
たしかに、広告は、PiTaPaの広告であり、ピタパの割引率が、利用額に応じてアップしていくことは間違いありません。
しかし、2万円の利用額の場合は、明らかに共通全線定期を利用したほうが得なわけですから、広告の中では、そのことには触れる必要があるのではと考えます。
◆
消費者契約法4条2項によれば契約を勧誘するにあたり消費者に有利なことだけを述べ、不利益となる事実を故意に告げなかった一定の場合には、消費者は申し込みの意思表示を取り消すことが出来るとなっています。
この法律の趣旨からいっても、このような広告の仕方はあまり好ましいものとはいえません。せめて「利用額が17,000円を超える場合は、共通全線定期がお得になる場合があります」との、文言は入れるべきではないでしょうか。
◆ ◆ ◆
(参考:消費者契約法第4条第2項)
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。
|