債務整理の手続にも使えます
 債務整理の相談を受けて思うことは、まじめな方ほど、生活費を削って、一生懸命弁済を続けています。場合によっては、何十年も返済を続けていた方もおられます。そしてどうしようもなくなり、すがる思いで、司法書士事務所や弁護士事務所へ相談に来られるのですが、そのときに、債務整理の費用など持ち合わせていないことも少なくありません。
 このような場合に、民事法律扶助制度を利用することが可能な場合があります。
 お金がなければ、法的なサービスは受けれないのか。ホームページを見ていると、「債務整理の報酬は分割払い可」と書いてあるものを見かけますが、私は、それよりも、民事法律扶助の利用をお勧めします。
 そもそも民事法律扶助制度とは
 民事法律扶助とは、国民の権利の平等な実現をはかるために、法律の専門家による援助や、裁判のための費用を援助する制度です。
 憲法32条は、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。」と定め、裁判所において適正な法的判断を受ける機会を保障しています。民事法律扶助は、自分では弁護士・司法書士の費用を支払うことの困難な人のために、公的な資金で援助を行う制度です。すなわち、当事者の間の経済力の差が権利の差にならないように、社会的公平を確保するのが民事法律扶助の目的です。詳しくは、法テラス(日本司法支援センター)のホームページをご覧下さい。
 利用条件は意外と緩やかです
 民事法律扶助を受けるためには、次のような条件が必要とされます。
 
@資力に関する条件

  ・紛争解決のための費用(裁判等、司法書士・弁護士の費用)の支出ができないこと。
  ・裁判の費用を負担することにより、その人の日常生活がおびやかされるおそれがあること。
  ・居住用の土地・建物以外に特別な財産がないこと。
  ・申込者および配偶者の収入が手取月収でおおむね次の資力基準以内であること。
資力基準
単身者 2人家族 3人家族 4人家族
月収(手取り) 月収(手取り) 月収(手取り) 月収(手取り)
基準(a) 182,000円以下 251,000円以下 272,000円以下 299,000円以下
大都市基準(b) 200,000円以下 276,000円以下 299,000円以下 328,000円以下
家賃・住宅ローン控除 41,000円まで 53,000円まで 66,000円まで 71,000円まで
※基準(a)対象都市…河内長野市・泉佐野市・大阪狭山市・柏原市・泉南市・富田林市・阪南市・
※基準(a)対象都市…羽曳野市・泉南郡・豊能郡・三島郡・南河内郡
※基準(b)対象都市…上記以外の都市
※5人以上は1人増につき30,000円増(家賃、住宅ローン控除額は、71,000円まで)
※平成19年6月1日現在
A事件に関する条件
  ・弁護し・司法書士に依頼することが、申込者の正当な利益を守ると期待できること。
  ・自己破産の場合は、免責の可能性のある方が、対象になります。

※たとえば、大阪市在住で、3人家族で、賃貸マンション(家賃7万円)で暮らしている場合を考えると、手取
 月収36万5000円までの方で免責の可能性のある方が対象になります。かなりの方がこの要件に当 てはまると考えます。
 民事法律扶助のもう一つのメリットは費用が安くてすむことです
 上記の条件に当てはまった場合、法テラスへ扶助の申し込みをし、審査を経て、援助開始決定を得られれば、法テラスから、司法書士、弁護士に費用が支払われます。この費用は、制度の趣旨から言っても、かなり低額に抑えられています。(自己破産で司法書士書類作成援助の場合で、10万円ほどです。予納金は別途必要ですが、それでも総額12万円ほどですみます。また、司法書士・弁護士は当該事件に関し、依頼者からそれ以外に報酬を受領してはならないことになっています。)
 法テラスへは生活状況に応じて返済します
 一方、法テラスが立替えた費用ですが、原則として援助開始決定2ヵ月後から生活状況に応じ、法テラスに割賦弁済していくことになります。基本的には月々1万円の返済で、もちろん利息は付きません。
 当事務所の考え方
 当事務所では、特に収入が少なく自己破産せざるを得ないケースは、積極的に同制度の利用を勧めています。民事法律扶助を利用したからといって、法的サービスが低下することはありませんので、ご安心下さい。
     
Copyright (C) 2004 Hideki Yamamoto Judicial scrivener office. All right reserved